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この儚くも哀しき世界の中で・・・・ [ファンタジー]

また小説の投稿をサボってしまいました^^;
久しぶりに「この儚くも哀しき世界の中で・・・・」です。
暁月の屋敷の離れで暮らす美桜の元に新たな人物が現れます。
彼は・・・そうあの私の大好きなゲームの紫の袴の人です。
もちろん関係はありませんが(笑)
どうぞお楽しみ下さい。
『束の間のひととき、あなたにこの言葉が届きますように』

この儚くも哀しき世界の中で・・・・


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この儚くも哀しき世界の中で・・・・ [ファンタジー]


あらすじ
誰かを大切に想うほど・・・・・失った時の痛みは大きい。
それは人であっても異形であっても。
そう、鬼であろうと人を愛する事に何も変わりはないのだ。


美桜の行方を必死で追い続ける火蓮。一葉の守りたいという真っ直ぐな想い。
神威の抱く懺悔という名の感情。
あやめの身の内に抱える異形としての本能と、美桜への後悔。
神影の鋭く光る瞳の見つめた先。美鶴の胸の内にある隠された心情。
それぞれの想いと目的が交錯し、時代の波に翻弄されてゆく美桜の物語は動き出した。






注:今回の物語はかなり長いです。
もし「読みにくいな」と感じたらそれは作者の駄文のせいです。
ご容赦下さいませ。

この儚くも哀しき世界の中で・・・・


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この儚くも哀しき世界の中で・・・・・ [ファンタジー]

久々の「この儚くも哀しき世界の中で・・・・」です!
書き貯めすぎてどこまで載せたのか忘れそうになりましたww

あらすじ
四大名家の総会の中で美桜の行方が分からないまま
会場は混乱へと転じてゆく。
そこに現れた火蓮の影の正体とは————!?

これまでの物語
カテゴリー;小説
第一話



この儚くも哀しき世界の中で・・・・・


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この儚くも悲しき世界の中で・・・・ [ファンタジー]


「この街は、この地域は一種の結界で護られている。しかし、その結界は
相当古い時代に創られたものだ。当然綻びも出てくる。
今まではなんとか保ってきた。だからこそ、ここまで独自の文化が
続いてきたんだ。だが今!結界は、文化を護るとともに邪悪なモノを引き寄せている。
それが、『人斬り』の原因とも言える」
唖然とする聴衆達。やがて口々に意見を言い合う声が飛び交い始めた。
結界を壊すべきだ、このままにするべきだ、いやどこかに移住しよう。
原因は何だ等々・・・・・。

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この儚くも哀しき世界の中で・・・・ [ファンタジー]


———あらすじ———
「暁月」の屋敷で目覚めた美桜は、聖司に真相を問いただした。
その痛みに触れ、やがて二人は痛みを共にして行く事となる。

第5章「動き出した世界」


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この儚くも哀しき世界の中で・・・・ [ファンタジー]

「紅家屋敷 紅蓮城」
紅蓮城の姫巫女、紅火連は月を見上げていた。
「夢を通して渡す事が出来るもの・・・・・。私の想い・・・そして私の視た物。
選択が全ての運命の道筋を決める。自分が選んだ事が歪みと捻れに満ちた未来を
変える——————。」

第4章「つながる想い」


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この儚くも哀しき世界の中で・・・・ [ファンタジー]


美桜の寝かされた部屋から出た平助は、迷わず廊下の奥へと進む。
サッと障子を開けると、
「どうだった、平助」
低い声が平助に呼びかけた。パタンと障子を閉めて畳に座る平助。
「怪我はほとんど無いようですが、急激に体力を消耗したようで
少し熱があって今は寝ています。」
「彼女は一体何者だ?」
そういって立ち上がる男。彼の名は「緒方 歳三」
この屋敷、すなわち暁月の当主代理である。
そして、この神堂平助という少年は暁月の最年少メンバーである。
「聖司の知り合いなんじゃねぇの?」
場違いなほど軽い声が響く。
その発言をしたのは、部屋の隅の壁にもたれていた男。
「もしそうだったとしても、なぜ聖司は彼女をここへ連れてきた?」
また新たな声が響く。その声の主は、緒方の傍に正座していた静かな雰囲気を纏う男。
壁にもたれていた男の名は、「原田 佐之進」
正座している男は「斎藤 遊」という。
「で、どうするよ?」
原田の隣に座っていた男、「月倉 新八」が緒方に問いかけた。
「彼女に秘密がばれてしまった以上、聖司に何らかの責任がある。
後は彼女次第だな。」
緒方はそう言ってため息をついた。

二日後、美桜は目を覚ました。
汗でびっしょりと濡れた着物が熱が下がった事を示している。
どうやら自分は、かなり長い時間寝ていたらしい。
「ここ・・・・・・。どこ?」
二日前と変わらぬ疑問が浮かび上がる。
人斬りと対峙し、殺されかけた。しかし、月が雲に隠れた瞬間誰かが救ってくれた。
「——————————っ」
それが誰だったのかを思い出すだけで、胸が痛いほど苦しくなる。
美桜はぎゅっと着物の裾を握りしめ呟いた。
『司さん・・・・・・・・・・。』

同じ頃、聖司もあの晩の事を考えていた。
血に飢えた人斬りと、愛しい少女の斬り結びあう姿を。
どうして、どうして、ここに彼女がいる?
なぜ、彼女が刀を持っているのかさえ分からない。
気がついたら体が勝手に動いていた。
飛び散る血飛沫。その向こう側に見える彼女の驚いた表情。
突然の出来事に戸惑い、意識が途切れる少女を抱え聖司は走った。
暁月の屋敷へと。自らの秘密が暴かれるリスクを負いながら。


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この儚くも哀しき世界の中で・・・・ [ファンタジー]


男の背後から、斬りつける新たな人物が現れたのは。
銀色の刀を一閃し、刀に付いた血を振り落とす人影。
月は雲に隠れ、光がない今その人影の正体はわからない。
やがて再び月が現れ、その人影の姿が露になる。
美しい白銀の刀「蒼月」を構え、冷たい怒りのこもった目で
男を見下ろす青年。
「司・・・・・・・・さん?」
小さな声で尋ねる。心なしか声はかすれていた。
「まさか・・・・・そんなはずは・・・・ない・・・のに」
視界が狭まり、闇へと堕ちてゆく。
世界はとても残酷で、それでいて優しい。
だから—————私はたまらなく世界が愛おしくて、大嫌いなんだ。

闇の中に声が響いた。
透明な残響が、水面に描かれた水紋のように広がってゆく。
『この先、どんな苦しい運命が待っていたとしても迷わないで。
貴方の選んだ道は、必ず貴方を導いてくれるから。』
「・・・・・火蓮?」
『運命を、未来を受け入れて。二度と同じ夢は繰り返さないために。
それが貴方のするべき事よ。—————さくら。』
手を伸ばした。何も見えない闇の中にある、希望の光の存在を信じて。

「・・・・・ぉぃ・・・おい!大丈夫か!?」
遠くで声が聞こえる。目を開きたいのに、体が言う事を聞かない。
そんなもどかしさが、美桜を支配していた。
突然視界が明るくなる。
「ぇ・・・・・・?」
小さな呟きが漏れた。ここはどこだろう?体が熱い。
内側から燃えているような気だるさが不快だ。
起き上がろうと思っても、力が入りそうにない。
無理に体を起こそうとした瞬間、体勢が崩れ誰かに支えられた。
「大丈夫かよ、姉ちゃん?」
まだ幼さの残る、瞳の光が印象的な少年が美桜を覗き込んでいる。
「うん・・・・・・。」
少年は、美桜を布団の中に優しく寝かせてくれた。
そして額に手を当て、体温を測る。
そのひんやりとした手は、熱で火照った躯に心地良い。
「まだ熱あるな・・・・。水飲むか?飲めたらだけど。
すごいうなされてたっていうか、辛そうだったからなぁ。」
苦笑しつつ、布団を整えてくれる。
遠い昔に母親にやってもらった事と同じように。
美桜はその手に自分の手を伸ばした。
少年も、黙って微笑みその手に自分の指を絡ませる。
「オレの名前は神堂平助。お前は?」
「・・・・・美桜。美しい桜って書いて・・・・・みおっていうの」
「美桜————。綺麗な名前だな。よし!今日からお前の事桜って呼ぶから。
よろしくな、桜。」
「よろしくね、神堂君。」
安心した微笑みを見せ、そのまま眠りへと引きずり戻される美桜。
その安らかな寝顔を見つめる平助の背後に、人影が現れる。
平助は黙って立ち上がり、最後に切ない面持ちで美桜を見つめた。

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この儚くも哀しき世界の中で・・・・ [ファンタジー]

第三章「剣の鬼  舞う」

あやめが、美桜の血を吸った夜の翌日の晩。
美桜は、夜の街に身を潜めていた。
通りに人の気配はなく、月だけが辺りを照らしている。
物陰から出て、通りを歩く事にする。
桜の花びらが、月明かりに妖しく輝いた。
『風に舞う花びらは、月明かりに照らされ、まるで儚い淡雪のよう—————』
「お嬢ちゃん。こんな遅くに一人で出歩いちゃぁ危ないよ。」
突然後ろから声をかけられる。
落ち着いて振り返ると、30代後半くらいの男が立っていた。
「ごめんなさい。眠れないものだから、つい外に出たくなって。」
男は微笑み、言った。
「近頃は、人斬りが横行しているみたいだからねぇ。
お嬢ちゃんも気をつけなさい。」
「その人斬り、どんな奴なのかしら。血に飢えた化物?
それとも、普通の人に見えて本当は闇に心を蝕まれた人間?」
自然と穏やかな笑みが、意識を集中させていく気がした。
羽織っていた羽織が、風に揺れる。
「お嬢ちゃん、何者だい?」
「九鳳院家の当主よ。人斬りさん。」
男はその言葉を聞くやいなや、刀を抜いた。
美桜は、羽織の袖から扇を出し斬激を受け止める。
刀が扇にめり込み、火花が散った。美桜は凄まじい力で刀を弾き返す。
弾かれた男は、50mほど吹き飛ばされる。
『刀とこれじゃ力が違いすぎる。あれを使うしかない!』
目を閉じ、意識を集中させ、右手に持った扇に魔力を集める。
膨大な魔力は、殆どといっていいほど手首に注ぎ込まれた。
辺りには、翠色の光が溢れ、美桜の声が響く。
「解放 暁月」
その手に握られていたのは、月の光に煌めく一振りの刀「暁月(あかつき)」
男は、刀を地面に刺し起き上がって美桜を恐ろしい目つきで睨んだ。
昨日の男と同じ紅い瞳で。だが、美桜は怯まず刀を振る。
「随分弱いのね。それでもあなたは、人斬りだと言うの?」
突然、だんっと地面が爆ぜたような音がした。
男が地面を蹴り、美桜に襲いかかったのだ。
コマ送りでゆっくりと流れていく時間が、美桜の動きで現実へと引き戻される。
冷静に男を見つめ、鯉口を切ると同時に構える。
「死ねぇぇぇえええええーーーーーーい!!!」
獣のような咆哮と共に、突き出される刀。
美桜はそれこそ電光石火の勢いで、刀を抜く。
キンッガキンッ、激しく斬り合う音が響き、徐々にその激しさは増していった。
『この男、強い!目が紅くなる前となった後では全然違う!
どうして?何が起こったと言うの?』
斬り結ぶ度に強くなっていく男の瞳は、どんどん紅く染まっていく。
そして、美桜は自分が通りの行き止まりへと追いつめられていくのを
少しずつ感じていた。何度目の斬激を受け止めた後だろうか。
「——————ッ」
ドンっと体が壁にぶち当たった。とうとう行き止まりまで来てしまったのだ。
刀はギリギリと暁月にめり込む。
男の取り憑かれたような目つきは、美桜の背筋を凍らせた。
冷たい汗が頬を伝い、体が震える。
血に飢えた獣は今にも自分の命を奪おうとしている。
その感覚は、以前にも味わった事があった。
刀に注いだ魔力のせいで、体が上手く動かない。
あやめに血を吸わせた事も影響しているのであろう。
力を抜けば、集中を途切らせばもう後はない。
もうここまでなのだろうか、そう想った瞬間だった。

この儚くも哀しき世界の中で・・・・ [ファンタジー]

転機は、突然訪れる。
四大名家の当主達が入れ替わったので、緊急召集がかかったのだ。
年に数回しか行なわれない四大名家当主会議で、彼は彼女の姿を探した。
ずっと、逢いたくて、逢いたくて。再開を待ち望んで来た彼女の姿は、
もうこの世にはいないのに、まるで取り憑かれたように、彼女の面影を探した。
「紫帆さん———————!!!」
彼女を見たとき、真っ先に叫んだ。そして、抱きしめる。
嗚咽が漏れ、「逢いたかった・・・・・会えて良かった・・・・・。」
と繰り返し同じ言葉が溢れた。
腕の中の少女の名は「九鳳院 美桜」といった。
「すまなかったね。急にあんなことしてしまって。」
なるべく落ち着いた口調を心がけてしゃべる。
「いえ、大丈夫です。」
おしとやかなその口調は、どこか凛としている。
「じゃあ、また会える日まで。」
美桜はそう言い置いて、部屋を出て行った。
一葉は、その場に崩れ落ちる。
『優しく微笑む笑顔は紫帆そっくりだ。その瞳も、声も、笑顔も。』
何もかもが、辛い記憶を呼び覚ます。
ああ、そうだ。紫帆も、最後にまた会える日までって言ってたんだ————。
いつのまにか、瞳が潤んで涙が頬を伝った。
その瞬間(とき)だった。
だれかが襖の陰から、そっと覗いていたのは。
「泣いてるの—————?そう。美桜に泣かされたのね。
あの子は、純粋だから。“無垢なる哀しみの天使”って言う二ッ名があるのよ。」
“イノセント・エンジェル”
いい二ッ名だ————、そう思った。
少女は、微笑みはせずそっと一葉の肩に腕をまわす。
細い腕には、精一杯の温もりと優しさが込められていた。
「あなたの想う人は、私じゃない。美桜でもない。
でもね、私はあなたを—————愛しているの。」
私の名は、火蓮。少女が耳元で囁く。
新たな出会いは、心を閉ざした青年に新しい奇跡を与えた。
再び立ち上がり歩いていく勇気と、人を愛する心を。

「聖司。オレの大事な人はさ、もうこの世にいないんじゃないんだ。
ずっと、オレの傍にいる。火蓮も、サクラちゃんもあの人も。」
一葉はつい先刻までの辛そうな表情ではなく、何の迷いもない
吹っ切れた表情で笑った。
『もう立ち止まらない。オレには、まだやる事があるから。
人を愛する事を、生きていく希望をくれた人に
まだ感謝を伝えられていないから・・・・・・。』

ま、まさかここで第2章完結とかないよね!?


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