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この儚くも哀しき世界の中で・・・・ [小説]

お久しぶりです。
なかなか更新出来ずご心配をおかけしました。
復活・・・と言えば復活です。
何度目だろ、この言葉書くの。もうゾンビのような復活力w
超久しぶりの小説です。復活した時の一発目は大抵日記なのですが、
ちょっと切羽詰まって来たので小説から投稿します!

【あらすじ】
離れの庭に佇んでいた美桜は紫紺の袴を纏った凛々しい青年に出逢う。
生きることに、幸せになることに意味など無いと言う美桜に
その命を斬らせてもらうと告げる青年。
ざわめく桜吹雪の中、二人の斬り結びが始まった。
鋭い金属音が鳴り響き、土煙が舞う。同時に疾風が二人の間を駆けていった。
「ふん、なかなかやるじゃねぇか」
「そちらこそ、暁月の方らしく見事な剣技ですね。
もしかすると、貴方が——————」
そう言ってザッと身を引く美桜。間一髪の所で剣戟を避ける。
「貴方が————人を斬っていたのかもしれませんね」
「ふざけた事言ってると叩き斬るぞ!」
突如青年の口調が一変し、纏った雰囲気が荒々しい物となった。
相手の隙を突いて攻撃を繰り出し、それでいてこちらからは攻めの手など許さない。
「————————何ッッ」
美桜はその攻撃を防ぐ事しか出来なかった。
それ程までに青年は相当な剣術の腕を持ち合わせているようだ。
『どうする——————?このままじゃ負ける!
でもここ数日は、刀しか握っていない————。おまけにこの体じゃ
長くは戦えない————。だから、これ以上の攻撃は望めない!!』
「風花 疾風ノ抄」
静かでありながらその美しい響きを残した呪文の詠唱。
風斬りの刃とも呼ばれるこの技は、青年の刀を捉え
美桜はその隙を突いて暁月を突き出した。
ガキンッッッッッ。その瞬間、金属のぶつかりあう音が響いた。
「「何!?」」
刀を突き出した美桜と攻撃を封じられていた青年の両方の声が重なる。
「屋敷の中での争いは控えた方が良いのでは—————緒方さん」
激しい勢いで突き出された刀を鞘一本で止める新たな人物。
刀を抜かずに両者の戦いを止めた男は、異常な程落ち着きを払っていた。
「——————斎藤!」
斎藤と呼ばれた男は烏の如く黒い着物に身を包み、蒼い瞳を美桜に向けていた。
まるで氷のような鋭さと冷たさ、そしてどこか虚ろな存在。
その佇まいに思わず、後ずさりをしかけた美桜は一歩身を引いた。
斎藤も黙って鞘を降ろす。そして振り返り、
「緒方さん—————母屋に客人がお待ちです」
と告げた。緒方は頷き、刀を仕舞ってその場を立ち去った。
ただ一言、「良い勝負だった」と言い残して。
斎藤は、その姿を見送ると自らも立ち去ろうと背を向ける。
「あーーーーあの!」
美桜は精一杯呼びかけた。斎藤は無表情で振り返る。
文句も好奇心も無い、ただ呼ばれたから振り返っただけと言う表情で。
「止めてくださって、ありがとうございました」
「———————」
重々しい静寂———沈黙。
彼は黙って会釈をすると、ゆっくりと立ち去った。

残された美桜は、静かな屋敷の中で独り決意を固める。
『必ず外の世界に出て、あやめの許へ戻ること。
そして、聖司を蝕む苦しみから彼を救うことを』


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美蓮

久しぶりー!復活おめでとう!!
これからも更新頑張れっ!!
小説、いつもすごいなー。憧れちゃうわwww
by 美蓮 (2010-11-21 16:57) 

千隼

お久し振りです。
コメントするのも久々の感じが・・・(苦笑
小説凄いですね~、続きが凄く気になります。
羨ましいです・・・本当。
では、nice!等いつもありがとうございます。
by 千隼 (2010-11-21 18:23) 

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