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秋の特別企画「お勧め書籍 part1」 [書籍]

〜ストーリー・セラー 有川浩著〜

ストーリー・セラー

ストーリー・セラー

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/08/20
  • メディア: 単行本


【あらすじ】
side:Aとside:Bに分かれたストーリー構成。
それぞれの物語の共通点は、作家の女性と伴侶である男性が主人公。

side:Aではデザイン事務所の同僚であった「彼女」の小説を
ふとした事で偶然読んだ「彼」が、「絶対この小説を世に送り出したい!」
という想いを抱き「彼女」の最初の読者となる事から始まります。
成功を収めた彼女と一生連れ添う事を誓った彼。
二人の人生は順風満帆に見えた頃。
彼女の祖母を老人介護施設に入れるために荒廃した祖母の自宅に
足を踏み入れた時から、彼女の父との確執や彼女の体調の変化など
いくつもの問題が二人に降り掛かります。
そしてとある病院を受診した彼女。
そこで宣告された残酷な病とは———————。

デザイン事務所時代から、絶対人前では弱音を吐かずに生き続けて来た彼女。
そんな彼女を見守る彼の視点で描かれるside:Aは結構壮絶です。
しかし、彼女の小説を読んだ彼がその小説に惚れ込んだこと。
これは未熟ながらも物書きであった彼女にとって驚きでもあり、
また喜びでもあったと思います。
私も誰かに自分の書いた文章を読んでもらって、
「おもしろかった」と言って貰えることはやっぱり嬉しいです^^

一方side:Bでは、
「この前の話では作家の妻を看取る夫を書いたから、
今度は夫を看取る作家の妻を書こうかな」
「いいんじゃない?」
という出だしから始まります。
何でも完璧にこなす彼とちょっと抜けた所のある甘えん坊の彼女。
彼女の職業は作家。そんな彼女を支えることを一番の喜びとする彼。
「君のわがままが俺は一番嬉しい。だからもっとわがままを言って喜ばせて」
そう言ってくれる彼に甘える彼女。
けれど、冒頭の会話をした所から彼に災難が————。
彼の余命を宣告され、彼女が一晩中PCに打ち込む言葉。
「覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ覆れ」
自分が軽々しく口にした言葉が現実になってしまった。
それが許せなくて、どうしようもなく許せなくて。

近づいて来る彼の最期の刻と、それまでに積み重ねる想い出の数々。
読んでいるととても切なくて、こんな夫婦普通はいないよ....orzと
思ってしまうほど辛い話でした。
ラストの編集者と彼女の会話。
思わせぶりな二人の会話に私はなぜか唖然・・・・・。
それでも、私の大好きな有川作品の最大の特徴「ラブストーリー」
の要素は完璧に盛り込まれていて、一気に読み切りました。
今回はラブストーリーでありながらも、どちらかというと
「切ないラブストーリー」の方でとても新鮮!
(普段の有川作品はどちらかというとハッピーエンドの印象w)
装丁の方も、まるでプレゼントのような表紙で心惹かれました。

恐ろしく分かりにくい感想でしたが、本編は本当に感動するので
ぜひお勧めです!こんな調子で本当に大丈夫だろうか・・・・・。

タグ:有川浩 書籍
nice!(8)  コメント(5) 

nice! 8

コメント 5

美蓮

有川浩先生の作品はいいよね。
私も大好き!紹介ありがとう!!
by 美蓮 (2010-11-21 20:15) 

愛輝

植物図鑑もそうでしたっけ。
あれはすぐに読んだのですが、図書館シリーズを読んだのは極最近。
有名になった本は、なんとなくすぐには手を出さないという捻くれ者です。
でも、これはまた異色な感じですね。面白そうです。
読んでみようかなー。
by 愛輝 (2010-11-22 12:47) 

風兎

 有川浩先生のか~♪
今度よんでみます!
 紹介ありがとうございました^^
by 風兎 (2010-11-24 00:45) 

はむ

視点が分かれている本は私もすごく好きです。
いろんな人の心境が分かっておもしろいと思います。
by はむ (2010-12-01 22:15) 

レイフォン

>美蓮ちゃん
本当にいいよね〜!
昨日(25日)発売した「シアター!2」も買ったけど
すっごい面白かったよ〜!!(今度感想載せるね)
いえいえ、どういたしましてノ

by レイフォン (2011-01-26 19:14) 

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