僕と月城ルリのメモリーズ [小説]
耳元で、シュンヤの寝息が聞こえるようになったのは
夜も更けた頃だった。
直樹の上に折り重なるようにして寝ていたシュンヤは、
いつの間にか寝返りを打って壁際に寝ている。
静かに涙をこぼしていたシュンヤの姿を思い出すと、
胸が痛くなるのを直樹は感じていた。
直樹はそっと体を起こすと、シュンヤに毛布をかけ、
部屋を出た。
『そういえば、夕飯食べてなかったな・・・。』
そんな事を考えつつ、廊下を歩く。
『シュンヤの分の夕食もとりにいこう。』
時刻は8:12。食堂もまだ開いているはずだ。
「おばさん。夕飯まだ残ってます?」
厨房で、皿洗いをしていたお姉さんと言ってもおかしくない
女性に声をかけると、
「あ、黒澤君。まだ残ってるわよ。包みましょうか?」
と親切に言ってくれた。
「ありがとうございます。じゃあシュンヤの分もお願いします。」
女性は、親切にデザートまで包んでくれた。
女性にお礼を言うと、直樹は部屋に戻る。
まだシュンヤは寝ているらしい。
机に、夕食を置くと直樹は再び部屋を出た。
足が自然に、ピアノサロンヘ向かう。
ドアを開けると、誰もいない。
直樹は、グランドピアノのふたを開けた。
人差し指が、真ん中のAのキーを叩く。
右足が、ダンパーペダルを押す。
ピアノサロンに澄んだ音が響き、やがて消えた。
楽譜棚から、“ピアノソナタ月光”を取り出す。
左手のオクターブと右手の三連符の透き通る旋律が響き渡る。
終わることのない無限に広がってゆく螺旋。
銀色の月明かりと、流れてゆく雲。
そして、月光と言う名の物語は静かに終わりを告げた。
夜も更けた頃だった。
直樹の上に折り重なるようにして寝ていたシュンヤは、
いつの間にか寝返りを打って壁際に寝ている。
静かに涙をこぼしていたシュンヤの姿を思い出すと、
胸が痛くなるのを直樹は感じていた。
直樹はそっと体を起こすと、シュンヤに毛布をかけ、
部屋を出た。
『そういえば、夕飯食べてなかったな・・・。』
そんな事を考えつつ、廊下を歩く。
『シュンヤの分の夕食もとりにいこう。』
時刻は8:12。食堂もまだ開いているはずだ。
「おばさん。夕飯まだ残ってます?」
厨房で、皿洗いをしていたお姉さんと言ってもおかしくない
女性に声をかけると、
「あ、黒澤君。まだ残ってるわよ。包みましょうか?」
と親切に言ってくれた。
「ありがとうございます。じゃあシュンヤの分もお願いします。」
女性は、親切にデザートまで包んでくれた。
女性にお礼を言うと、直樹は部屋に戻る。
まだシュンヤは寝ているらしい。
机に、夕食を置くと直樹は再び部屋を出た。
足が自然に、ピアノサロンヘ向かう。
ドアを開けると、誰もいない。
直樹は、グランドピアノのふたを開けた。
人差し指が、真ん中のAのキーを叩く。
右足が、ダンパーペダルを押す。
ピアノサロンに澄んだ音が響き、やがて消えた。
楽譜棚から、“ピアノソナタ月光”を取り出す。
左手のオクターブと右手の三連符の透き通る旋律が響き渡る。
終わることのない無限に広がってゆく螺旋。
銀色の月明かりと、流れてゆく雲。
そして、月光と言う名の物語は静かに終わりを告げた。
2010-02-21 12:44
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コメント(3)
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小説はレイフォンさんが書いているのですか??
読みやすいですネ!
また、寄らせていただきますネ ^^
by jun (2010-02-25 21:49)
やっと続きー(・ω・)ノ
おもしろいね。
早く続きっっ!!
by kzhy (2010-02-26 19:19)
>junさん
ありがとうございます!!
またのお越しをお待ちしてます。
>kzhy
が、頑張って書くよ!!
by レイフォン (2010-02-26 21:51)